おとなになってからいう友人と知人の境目は難しい。どっちの距離がどうってわけじゃない。ただ、会う頻度とか知り合ってからの時間とか、なんかそんな差だろう。
少しの間だけしていた習い事で知り合った人が亡くなった。正確には亡くなっていた、1ヶ月前に。
がんだと話してくれたのは随分前だ。私なら話してもすごく心配したりショックを受けたりしないだろうって。確かに。
まあそうだけど。
だからってそんなになんともないわけじゃないよ、ばくさん。
そろそろそんなに差は無くなってくるかもしれないけど、一般的に言う「寿命」という考え方からは随分早くにいなくなってしまう人たちに近い年の人たちより多く出会ってきたんじゃないかと思う。
だからこのまま全員見送って私は最後にひとりで死ぬのかなあなんて思ったりもしてた。だからこんなに図太いのかなと。
でもそういうのはもう嫌だな。この苛立ちはそういう気持ちだと思う。ひとりで死ぬのが嫌なのではなくて、そんな変な役割とか死生観とか。
上手い例えでは全くないんだけど浮かんじゃったから書くけど、ビンゴのカードみたいに穴を開けていくみたいだ。全部あいても何ももらえない。
うん。喩えがひどい。なんの広がりもない。
いつも全然うまく処理できない。何回お別れしてもぼーっとしてしまう。ただ力なく見送るだけだ。
油断してた。「信じられないくらい元気なんですよー」と言って別れたのが10月。「久しぶりに大笑いしました」と後でメッセージをくれた。
悲観的で心配している方が無事だった。色んなことはそう。
だのに安心しちゃってた。
浅草生まれ浅草育ちの下町嫌い祭り嫌い。屈折した下町っ子。そういうところちょっとわかる気がしていた。
ダイビングたくさんして、お酒たくさん飲んで。超マイペースで嫌ならスッといつの間に帰っちゃって。酔っ払うとすぐキスして。なかなかきれいなキスの仕方だったな。(私はされなかったけど!)
最後頑張ったのかな。
おつかれさまでした。