あまのいわとちゃん

私の中には「あまのいわとちゃん」がいる。天の岩戸のようないわとちゃん。セラピーを始めて彼女の存在がわかった。

いわとちゃんはちびっ子のわたしを守ってる中学生くらいの私だ。ちびっ子が天照大御神みたいな感じ。

ちびっ子の私を家の不安定さやひとりの寂しさのようなもので傷つかないように守っている。愛されていない、ここは安全な場所ではないという事を感じさせないように。

随分前にセラピーで存在を現した。彼女は触れようとすると激しく抵抗する。怒りと警戒心で誰にも心を許さない。父というテーマを取り扱い始めて彼女はますます激しく攻撃的になった。

 

数日前、とても小さなアイデアのようなものが浮かんだ。ひらめき?とても小さな。

 

「誰よりも守ってもらいたかったのはいわとちゃんか。」

父の機嫌次第でいつどうなるかわからない緊張感や誰にも守ってもらえない孤独と不安の中、中高生なりの頭を使って自分を維持した。(面白いことにそのまま現在も中学生っぽいメンタルで維持されている。いわとちゃんに聞こえると怒られそうだけど)

 

傷つきやすいちびっ子の私を守るのだという役割で彼女は頑張れたのかもしれない。

そのことに気づいてもらいたかったのだと思う、まず私が自覚しなくてはダメだったのだ。私はもっと第三者に気づいてもらいたいのだと思っていた。

そのことに気づいた時、涙がポロポロ出た。ドラマチックに堰を切ったようになんか泣かないいわとちゃんだ。

そのことに気づいてからはその後も考えていた。自分でも驚いたから。

 

次には運転して実家に向かっている時、またポロポロと涙が出た。

この涙はいわとちゃんという昔の私のものなのか今の私のものなのか。分からなかった。今の私といわとちゃんが重なって溶けてゆくような、存在が薄くなった感じがした。

 

あれ?いなくなっちゃうの?

こんな簡単に?

 

とその時は思ったのだけど今また私の中に彼女の存在を感じる。また近づこうとすると威嚇しようとすることもあるけれど何か前とちがうんだよな。ほんと気難しい思春期ぽい。

いや。私がまだいなくなって欲しくないのかも。もう少しいわとちゃんと交流したいのかも。

彼女は努力によく頑張って来たね、みたいなに寄り添うのではなく、守ってもらいたかったのはあなただったよねという言葉があの子の何より欲しかった言葉だったのだと思う。

同情より理解を求めていたのかもしれない。

でも自分の中で溶け合う世界に一歩、いや何十歩も近づいたような気がした。

ちびっ子の私はきっと彼女のおかげで無傷に近い無垢さを保てているような気がする。それこそ天照大御神みたいに太陽みたいな子ならいいな。近いうちに会えるかな。

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